
はじめに
歩いているときにふらついたり、急に立ち上がったときに目の前が暗くなったりすることはありませんか?「年のせいかな」と思ってしまいがちですが、その裏に重大な脳の病気が隠れていることがあります。今回は、ふらつきや立ちくらみが脳とどう関係しているのか、わかりやすく解説します。
よくある「ふらつき・立ちくらみ」は何が原因?
ふらつきや立ちくらみは、主に以下のような原因で起こります。
- 血圧の変動(起立性低血圧)
急に立つと血液が足元に下がり、脳に一時的に血液が行きにくくなることがあります。
- 脱水や貧血
体内の水分や赤血球が不足すると、脳への酸素供給が減ってふらつきやすくなります。
- 耳の異常(内耳の障害)
平衡感覚をつかさどる内耳の不調によっても、ふらつきが起こります。
これらは一時的なものも多く、安静や水分補給で改善することがあります。
危険なサインを見逃さない!脳に関係するふらつきとは
ただのふらつきと思っていても、次のような特徴があるときは注意が必要です。
- 片側の手足に力が入らない
- 言葉が出にくい、ろれつが回らない
- 急に視界がぼやける、二重に見える
- まっすぐ歩けない、転びやすい
これらは、脳の血管障害(脳梗塞・脳出血)や、小脳・脳幹の障害の可能性があります。
脳梗塞・脳出血などが関わるケース
脳の病気でふらつきが起こる場合、以下のような病気が関係することがあります。
- 小脳の障害:体のバランスを保つ場所。障害があると、足元がおぼつかなくなります。
- 脳幹の障害:目の動きや飲み込み、呼吸などの中枢が集まっている部分で、障害があると複数の症状が出ることがあります。
一過性脳虚血発作(TIA):数分から数時間でおさまりますが、「脳梗塞の前ぶれ」とも言われています。
自分でできるチェックと、医療機関を受診すべきタイミング
次のようなチェックをしてみてください。
- 片足立ちがふらつく
- まっすぐ歩けない
- 顔のゆがみや手足のしびれがある
これらがある場合は、早めの受診が必要です。特に、ふらつきが急に起きて、ほかの症状を伴う場合は、救急車を呼ぶことも考えてください。
まとめ
ふらつきや立ちくらみは、加齢のせいだけではなく、脳の病気のサインかもしれません。普段と違う症状を感じたら、「様子を見よう」とは考えず、早めの医療機関受診が大切です。自分の体の変化に敏感になることが、健康を守る第一歩です。
カテゴリー:健康コラム