
はじめに
9月1日は「防災の日」です。地震や台風、大雨などの自然災害は、いつ起こるか分かりません。特に高齢者にとっては、避難や停電・断水への対応が若い世代よりも難しくなることがあります。だからこそ「今からできる小さな備え」が大切です。
1.命を守る持ち物をそろえる
市販の防災セットも便利ですが、必ずしも自分に必要なものばかりではありません。高齢者にとって特に重要なのは、日常生活に欠かせない「薬」「眼鏡」「補聴器」「入れ歯」「杖」などです。これらは防災バッグに必ず入れておきましょう。
また、水や非常食も自分に合ったものを選ぶと安心です。おかゆやゼリー飲料、クラッカーなど食べやすいものを準備しておくと、体調がすぐれない時にも役立ちます。さらに、携帯ラジオやモバイルバッテリーを備えておけば、停電時でも情報を得たり家族と連絡を取ったりできます。
2.住まいの安全を整える
災害は夜間や早朝に起こることもあります。転倒やケガを防ぐために、家具を壁に固定したり、寝室の近くに懐中電灯を置いたりすることが大切です。ベッドの下に靴やスリッパを常備しておけば、地震でガラスが割れても安心です。
寝る前に「杖・補聴器・眼鏡」をベッドのそばにそろえておく習慣をつけるのも効果的です。災害時は慌ててしまうものですが、決まった場所にまとめておけば、暗闇でもすぐに持ち出せます。
3.人とのつながりを備える
一人で災害に対応するのは難しいものです。普段からご近所さんや地域の人と挨拶を交わし、「もしもの時は声をかけ合いましょう」と伝えておくことが、いざという時の助けになります。自治会の防災訓練に参加するのも良い機会です。顔見知りが増えれば、避難確認や安否確認がスムーズになります。
4.体を動かすことも防災
避難所では体を動かす機会が減り、体調を崩す高齢者も少なくありません。普段から軽い散歩や体操を続けておくことは、防災対策にもつながります。避難所まで歩ける体力があるかどうかは、備えの一部なのです。
小さな積み重ねが大きな安心に
防災というと「大がかりな準備」を思い浮かべる方も多いですが、実は日常のちょっとした工夫が大切です。たとえば――
- 薬は最低1週間分を多めに用意して、古いものから使う
- 懐中電灯や携帯ラジオの電池を、月に一度点検する
- 水は2リットルのペットボトルを1日1本分×3日分(計3本)から備蓄を始める
- 非常食はおかゆやクラッカーなど、普段から食べ慣れているものを買い足しておく
- 寝室や廊下に夜でも点く足元ライトを置く
- 杖や眼鏡、補聴器は寝る前にベッドの横にまとめて置く
- ご近所に「いざという時は声をかけてください」と一言伝えておく
こうした小さな積み重ねが、いざという時に大きな安心を生みます。今年の防災の日をきっかけに、ぜひ一つでも「自分に合った備え」を始めてみませんか。