【健康コラム】高齢者の年末の過ごし方 ~安全・健康・快適を守るための実践ガイド~

はじめに

年末はイベントが多く、普段以上に身体への負担が大きくなりやすい季節です。寒さ、外の暗さ、家事の増加、食生活の変化など、事故や体調不良につながる要素が重なります。ここでは、高齢者が「安心して」「無理なく」年末を過ごすための、実用的なポイントをまとめました。

 

体調不良に備えた予防と準備

年末年始は医療機関や薬局が休みになることが多く、体調を崩した際にすぐ受診できない場合があります。できるうちに準備をしておきましょう。

<もし発熱をしたら…>

  • 脳卒中で入院歴のある方や持病のある方は、症状が軽くても早めの受診をおすすめします。
  • 普段お元気な方は、自宅で様子を見るための備えが役立ちます。
  • 高熱が続く、息苦しさがある場合は受診

<事前に準備しておきたい安心セット>

  • 薬局で購入できる検査キット
    →薬局でコロナ・インフルエンザの検査キットを購入できます。
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27779.html (参考:厚生労働省)
  • アセトアミノフェン(カロナール等)の解熱剤
  • OS-1などの経口補水液
  • 体温計

 

冬の“転倒ゼロ”を目指す外出対策

年末は買い物や通院、地域行事などで外出が増える時期です。
冬の道路は凍結・落ち葉・濡れたタイルなど、滑りやすい場所が多くなります。

対策として:

  • 溝が深く、滑りにくい素材の靴を選ぶ
  • 必要に応じて靴底に装着する「簡易滑り止め」を利用
  • 手すりをつかむ場面を想定し、滑り止め付き手袋を着用
  • 歩幅を小さくし、足裏全体で着地する“すり足気味の歩行”を意識

また、冬は日没が早いことも危険の一つ。暗がりは段差や路面の凹凸に気付きにくく、転倒の大きな要因です。

<暗さ対策>

  • 外出は“明るい時間帯”を基本に
  • 反射材のついたバッグや上着を使用
  • スマホのライトをすぐ点灯できるよう設定しておく
  • 横断歩道以外の場所の道路を横断する場合は特に気をつける。

 

 年末だからこそ必要な“健康管理”

冬は体調を崩しやすく、寒さで筋肉も硬くなりがちです。

<体調管理のポイント>

  • 1日1回、軽くストレッチやつま先立ち運動
  • 湯冷めしないよう、寝る前の部屋の温度を確認
  • 室内の湿度40〜60%をキープ(ウイルス対策としても有効)
  • 長時間同じ姿勢を避け、1時間に1度は立ち上がる

特にインフルエンザや感染症が増える季節でもあるため、手洗い・加湿・換気・人混みの回避なども効果的です。

 

大掃除は“分割作業”+“道具の工夫”で安全に

年末の大掃除は、多くの高齢者にとって負担になりがちです。

安全に行う工夫

  • 1日15分〜20分、1カ所だけを掃除
  • 高い場所は家族やサポートサービスに依頼
  • 軽量のモップや使い捨てワイパーを活用
  • 重い家具は絶対に動かさない
  • 水拭き後は必ず乾いた布で仕上げて“滑り予防”

無理なく、少しずつ進めることでケガを防ぎ、気持ちも軽くなります。

 

年末年始に多い“食の事故”を予防

冬は餅・鍋料理・揚げ物など、普段よりも“弾力の強い食べ物”や“熱い料理”を食べる機会が増えます。
餅による窒息を防ぐには

  • ひと口を小さく
  • よく噛む
  • 喉が乾いている場合は、食べる前にお茶などで湿らせる
  • できれば家族が近くで見守る

また、食事量や塩分が増える季節でもあります。高血圧・心臓病・腎臓病などを抱えている方は、年末年始こそ食事量と水分補給を意識しましょう。

 

入浴事故は“冬の代表的リスク”

寒暖差が大きい冬は、入浴中の事故が特に増えます。

<安全に入浴するポイント>

  • 脱衣所・浴室を暖めて“急激な温度差”を防ぐ
  • 湯温は41℃以下
  • 入浴は10分以内が目安
  • 食後すぐや飲酒後は入浴しない

冬は血圧が変動しやすく、ふらつきによる転倒や意識消失が起こりやすい季節です。
「今日は少し疲れたな」と感じる日は、思い切ってシャワーだけにするのも安心です。

 

“頼ること”も安全の第一歩

高齢者にとって、年末は「やらなければ」という気持ちが負担になりがちです。
しかし、年末は家族や地域の支援が得やすい時期でもあります。

  • 買い物代行サービス
  • 訪問介護の掃除補助
  • 地域包括支援センターへの相談
  • 家族への“小さなお願い”

無理を避けることが、結果として最も安全で賢い判断につながります。

 

まとめ

年末は、寒さ・暗さ・忙しさ・食生活の変化など、事故につながる要因が重なる季節です。
しかし小さな工夫や準備で、リスクは大幅に減らせます。

“無理をしない・焦らない・頼る勇気を持つ”

これが、高齢者が安心して年末を過ごすための何よりのポイントです。
穏やかであたたかい気持ちで、新しい一年を迎えられますように。