
はじめに
冬は、脳にとって最も負担がかかる季節だといわれています。気温が下がると血管が縮み、血圧が急に上がるため、脳の血管にも大きなストレスがかかります。この影響で脳出血や脳梗塞などの脳卒中が増えることが知られています。
ただ、日々の生活で少し気をつけるだけで、脳卒中のリスクはしっかり下げることができます。
今回は冬に意識したい「命を守る3つのポイント」を、わかりやすくお伝えします。
寒さが脳の血管に与える影響と脳卒中が増える理由
寒くなると血管は熱を逃がさないように細くなり、血圧が上がりやすくなります。
この変化が脳の血管への負担となり、脳卒中を引き起こしやすくします。脳卒中には脳の血管が破れる「脳出血」と、血管が詰まる「脳梗塞」があり、どちらも冬に増えやすいことが確認されています。
特に家の中と外の温度差が大きい冬は、血圧の変動が激しく、脳の血管へのダメージが積み重なりやすくなります。
年末年始は特に注意 ― 残薬確認と飲み忘れを防ぐ工夫
高血圧の薬は、毎日続けてこそ効果を発揮します。
飲み忘れが続くと血圧が急上昇し、冬は特に脳卒中のリスクが高まります。
さらに、年末年始は病院や薬局が長期休みに入るため、
「薬が足りないことに気づいても、受診できない」という状況が起こりやすくなります。
そのため、12月の早い段階で残薬を確認し、必要なら受診して追加処方を受けることが大切です。
飲み忘れを防ぐためには、
- ・薬の置き場所を一か所にまとめる
- ・1週間分をケースに分けて管理する
- ・飲んだ日に印をつける
といった簡単な工夫が続けやすさにつながります。
年末年始はいつもと違う生活リズムになり、お薬を飲み忘れやすい状況にもなりがちですが、気を付けていきましょう。
緊急連絡先の整理と“かかりつけ病院の番号”を残す重要性
脳卒中は発症してからの時間がとても重要です。
顔がゆがむ、手足の力が入らない、言葉が出ない——こうした症状は脳の運動や言語をつかさどる場所に異常がおきているサインで、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
いざという時に慌てずに対応するために、以下の連絡先をまとめておくことをおすすめします。
- ・119(救急)
- ・家族や近所の人の連絡先
- ・かかりつけ病院の電話番号
「かかりつけ病院の番号」は、
- ・日頃の病気の状態
- ・お薬の内容
- ・既往歴
を最もよく理解している場所です。救急搬送後に必要な情報がスムーズに伝わるため、必ずメモに残しておきましょう。
携帯電話の“よく使う連絡先”に登録し、紙のメモも家の見える場所に置くと安心です。
まとめ
冬は脳卒中が最も多い季節ですが、『血圧を知ること』『薬を切らさないこと』『救急連絡先を整えること』という3つの習慣で、リスクは確実に減らせます。
気づいた今日からでも遅くありません。
毎日の生活を少し整えるだけで、脳と体を守る力になります。
安心して冬を過ごせるよう、ぜひ取り入れてみてください。