
はじめに
暑い時期になると、熱中症や脱水症に気をつける人は多いですが、「転倒」については意外と見落とされがちです。実は、夏場に転倒してケガをする人が増えているのをご存じですか?
特に外出時は、道路の照り返し、日差しによるまぶしさ、汗で滑りやすい足元など、危険がたくさんあります。このコラムでは、夏に増える転倒事故の原因と、外出や室内で安全に過ごすためのポイントについてお話しします。
なぜ夏に転倒事故が増えるのか?
夏の転倒事故には、いくつかの共通した原因があります。
まず、暑さによる「注意力の低下」があります。熱中症になりかけると、頭がぼーっとして足元への注意が疎かになります。次に「視界の悪化」。まぶしい日差しや、サングラスのくもりなどで、段差や障害物を見落としがちになります。
また、汗で足がすべりやすくなったり、夏用のサンダルやスリッパなど足元が不安定な靴を履いていることも転倒の原因になります。
転倒によるケガが命に関わることも
転倒と聞くと、ただの擦り傷や打撲と思われるかもしれません。しかし、骨折、特に太ももの骨(大腿骨)や背骨(腰椎)の骨折をすると、長期間の入院や寝たきりになるリスクがあります。
特に太ももの骨折は、その後の生活に大きな影響を与え、寝たきりになるきっかけになることもあります。これを防ぐためにも、転ばないことがなにより大切です。
夏の外出時に気をつけたいポイント
夏の外出では、次のようなことに注意しましょう:
- 帽子とサングラスの併用:まぶしさを防ぎ、視界をしっかり確保しましょう。
- 杖の先ゴムの確認:すり減っていると滑りやすくなります。夏前にチェックしましょう。
- 歩きやすい靴の選び方:つま先がしっかり覆われた、すべりにくい靴を選びましょう。
- 日陰での休憩:こまめに休んで体力を保ちましょう。
- 日傘の使い方:片手がふさがるので、足元への注意を忘れないようにしましょう。
家の中でも油断禁物!室内での注意点
外だけでなく、家の中での転倒も夏場は起きやすくなります。たとえば、汗をかいている状態でフローリングを歩くと、床で足が滑ることがあります。
また、暑くて夜中に何度もトイレに行く場合、暗い廊下や急な動作が危険を生みます。夜間の照明を足元に設置したり、室内でも滑りにくいスリッパを使うなど、小さな工夫が転倒予防につながります。
まとめ:夏も安全に歩くために今からできること
夏は体にこたえる季節です。だからこそ、転倒のリスクも高まります。
暑さ対策だけでなく、視界の確保、足元の安全、こまめな休憩といった工夫で、転倒を防ぐことができます。
外に出かけるのが楽しくなる季節でもありますから、安全に気をつけながら、元気に過ごしていきましょう。
転倒は「予防」できるもの。日々の少しの心がけが、将来の健康を守ります。